プレシオサウルスやイクチオサウルス、また翼竜の全身骨格などを発見したメアリー・アニング。
彼女の生涯はなかなかドラマティックです。
イギリス南部の村に産まれたメアリーは15ヶ月の時に雷に打たれ、九死に一生を得ます。
雷に打たれた4人のうちメアリー1人が生き残るという、何ともすごい体験をしています。
メアリーが生まれた時代はヨーロッパで化石採集の一大ブーム期でもあり、メアリーの父親は
家具職人の傍ら、村の崖で化石を見つけては観光客に化石を売って生計を立てていたようです。
でも、父親はメアリーがわずか11才の時結核で亡くなり、生活が苦しくなってきます。
そこで、メアリーは生きるために兄と化石採集をするのです。
彼女はたった12才のときに、イクチオサウルスの全身骨格を見つけるというすごいことをしたのです。
イクチオサウルスはそれまで発見されていたとはいえ、全身骨格を発掘したのは初めてのことでした。
19世紀当時、すでに化石を発掘して過去の生物のことを調べるという行為が、生物学や地質学の
分野に影響を与えていたため、メアリーの次々起こす偉大な発見に科学界も注目していきます。
裕福な化石収集家からの援助も受けながら、彼女の化石発掘の情熱は高まっていきます。
そして彼女が22才のとき、これも初となるプレシオサウルスの骨格化石を発見するのです。
47才という短い生涯で幕を閉じるメアリーの生涯ですが、亡くなる年にロンドンの地質学会から
名誉会員という称号を与えられるまでになりました。
彼女は「生物には絶滅がある」という事実を導いた、偉大な化石発掘者として
地質学の歴史になくてはならない存在として認識されています。
ちなみに、早口言葉「She sells sea shells by the sea shore.(彼女は海岸で貝殻を売った)
というモデル人物はメアリー・アニングだといわれていることでも有名です。