アンモナイト中で光るアンモナイトを「遊色アンモナイト」とよびます。
これらはアンモナイト表面にアラゴナイトと呼ばれる層がくっついて化石化しています。
アラゴナイトというのは鉱物の名前で、日本ではあられ石(霰石)ともいいます。
主成分は炭酸カルシウムです。
炭酸カルシウムと聞いて馴染み深いのは、あの黒板に用いるチョークです。
チョークはとても脆く、すぐに削れるでしょう。
炭酸カルシウムは他にも貝殻や鶏の卵の殻、そして石灰岩や大理石の主成分でもあります。
全く同じではないですが、それらと似たような成分で成り立っているのです。
これで光るのですから不思議です。
アンモナイトが光るには、アラゴナイトという鉱物の層に加えて、
もう一つ「キチン質」とよばれる層が重なりあう必要があります。
「キチン質」というのは、カニやエビなどの甲殻類や、節足動物の
外側の皮と同じような成分でできた層のことです。
アンモナイトの表面では、このキチン質の層とアラゴナイトの層が交互に
重なりあって積み重なっています。
これらの層に光りが当たったとき、異なった層に光がぶつかると、
光のさす方向が変わります。
これを「光の屈折」といいます。
光の屈折でおこる自然現象の例でいうと、虹が一番わかりやすいかもしれません。
突如空に7色のカラーが現れるのも、太陽光と空中の水滴の光の屈折によって
起こる現象です。